住宅資金特別条項について
住宅資金特別条項とは、個人債務者が住宅を手放さずに経済的再生を図れるように、抵当権等に特別な取扱いをすることです。
住宅資金特別条項について
住宅資金貸付債権の特則は、次のようなものです。
■民事再生法の住宅資金貸付債権について、再生計画でその弁済の繰り延べができるよう住宅資金特別条項を定めることができます。
また、住宅資金特別条項には、原則としてその元利金の全額を支払うことを条件に、次のことを定められます。
⇒ すでに分割払いの弁済期が到来しているものは、一般の再生債権についての弁済期間内※に支払います。
※最長5年です。
⇒ 弁済期が到来していないものは、当初の分割払いの約定どおりに支払います。
※遂行できないと見込まれる場合は、最長10年、70歳まで住宅ローンの支払期限を延長できます。
⇒ 一般の再生債権の弁済期間※内は、住宅ローンの元本の支払額を少なくすることもできます。
※最長5年です。
■住宅資金特別条項を定めた再生計画案の決議では、その条項によって権利の変更を受ける人や保証会社は、議決権がないものとされています。
そのため裁判所は、その条項によって権利変更を受ける人の意見を聴取する必要があります。
■住宅資金特別条項を定めた再生計画が成立すると、その効力は、住宅に設定された抵当権等にも及びます。
よって、再生債務者が再生計画で定められた弁済を継続している限り、その抵当権は実行できません。
住宅資金貸付債権に関する特則と小規模個人再生について
小規模個人再生だけでなく、給与所得者等再生、通常の再生手続にも適用されます。 |