破産・整理の法律ガイド


破産手続申込の直後に借入をした場合の債権者の対応

破産手続申込の直後に借入をした場合の債権者の対応について

債権者は、悪意の不法行為債権として損害賠償請求をすることができます。

破産手続申込の直前に借入した場合について

通常の場合、破産手続開始の申立てをする債務者などは、その時まで資金の借入等は反復して行っていると思われます。

しかしながら、破産手続の開始の直前に借入をしている債務者の場合、果たして借入時点で、返済が可能なものとして借入れの申込をしたのかどうか疑問です。

さらに、申立て後に、広告や通知がされないうちに、従来から保有していたカードを利用して借入をしたり、商品を購入して立替金債務を負担するような場合は、かなり悪質なものです。

ですから、このような場合は、すでに支払不能の状況等にあることを隠して行っていることが明らかですので、詐術を用いた借入に該当し、免責不許可の申立てを行うことが考えられます。

そして、裁量によって免責許可の決定が行われた後は、悪意の不法行為による損害賠償請求が行われると思われます。

刑事罰を受けることもあるのかについて

十分考えられます。

そもそも債務者は、支払能力が不能の状況であるということで、破産手続の開始の申立てを行っているわけですから、借入をすること自体、債権者の返済への期待を欺いていると言わざるを得ません。

これは、刑法の詐欺に該当する可能性もありますので、債権者側が掲示告訴することも考えられます。

どのように悪質な直前借入者かどうかを調べるのか?

債務者名簿から判明した、他の債権者の協力を得ることで、借入したときの債務状況、その後の支払状況などの情報収集が行われると考えられます。

関連トピック
詐欺破産罪について

詐欺破産罪とは、債務者が債権者を害する目的で破産手続の妨害行為を行ったことに対する処罰のことです。

債権者を害する目的で行う行為について

平成16年の破産法の改正で、詐欺破産罪は、次のように整理されました。

■債務者の財産を隠匿したり損壊する行為

■債務者の財産の譲渡や債務の負担を仮装する行為

■債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為

■債務者の財産を債権者の不利益に処分したり、債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為

■上記のほか、債務者について破産手続開始の決定がされたり、保全管理命令が発せられたことを認識しながら、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得したり、第三者に取得させること

上記はすべて、行為の主体に制限はなく、債務者、破産者の代理人、理事・支配人などの法人内で権限をもつ人、破産債権者が対象になります。また、行為の時期は、破産手続開始の前後を問いません。

刑について

法定刑は、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(またはその併科)です。

ちなみに、客観的処罰条件は、破産手続開始決定が確定することです。

免責許可が決定された後で上記行為が発覚した場合について

そのような場合でも、詐欺破産罪に問われることになります。

破産者に詐欺破産罪について有罪判決が確定すると、破産債権者の申立てや職権で免責取消の決定がなされます。

そうなると、破産者は当然免責の効果を主張できないだけでなく、残余の破産債権について弁済の義務が復活することになります。


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