詐欺破産罪について
詐欺破産罪とは、債務者が債権者を害する目的で破産手続の妨害行為を行ったことに対する処罰のことです。
債権者を害する目的で行う行為について
平成16年の破産法の改正で、詐欺破産罪は、次のように整理されました。
■債務者の財産を隠匿したり損壊する行為
■債務者の財産の譲渡や債務の負担を仮装する行為
■債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
■債務者の財産を債権者の不利益に処分したり、債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為
■上記のほか、債務者について破産手続開始の決定がされたり、保全管理命令が発せられたことを認識しながら、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得したり、第三者に取得させること
上記はすべて、行為の主体に制限はなく、債務者、破産者の代理人、理事・支配人などの法人内で権限をもつ人、破産債権者が対象になります。また、行為の時期は、破産手続開始の前後を問いません。
刑について
法定刑は、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(またはその併科)です。
ちなみに、客観的処罰条件は、破産手続開始決定が確定することです。
免責許可が決定された後で上記行為が発覚した場合について
そのような場合でも、詐欺破産罪に問われることになります。
破産者に詐欺破産罪について有罪判決が確定すると、破産債権者の申立てや職権で免責取消の決定がなされます。
そうなると、破産者は当然免責の効果を主張できないだけでなく、残余の破産債権について弁済の義務が復活することになります。 |