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根保証制度の改正

根保証制度の改正について

さまざまな制限が加えられ、改正法は平成17年4月1日から施行されています。

根保証について

根保証とは、継続的取引などにおいて、一定の範囲に属する不特定の債務を保証するものです。通常の場合ですと、被保証債務が弁済等によって消滅すると、保証債務も消滅します。

しかし、反復継続して貸付が行われる場合、その都度、保証契約を締結するのは不便です。

こうした理由により、将来負担するであろう債務も含めて、一定の種類に属する債務を保証する根保証が用いられるのです。

改正の経緯

根保証は、将来の債務をも保証するものなので、根保証人が十分理解しないまま根保証契約を締結してしまったり、根保証契約の内容が不適切といったことが原因で、トラブルになるケースが少なくありません。

そこで、これを受けて平成11年に貸金業規制法が改正されました。これによって、保証人、根保証人に対する書面交付義務などが強化新設されました。

しかしながら、これに違反しても、根保証の効力そのものには影響しませんし、根保証が問題になるのは、貸金業者による貸付債務の場合だけではありませんでした。

今回の改正では、特に、規制の必要性が大きい、金銭の貸渡し・手形割引による主債務(貸金等債務)に関する根保証契約で、保証人が個人であるもの(貸金等根保証契約)を対象にすることとされました。

具体的には次のようになりました。

■貸金等根保証契約の主たる債務の元本、利息、違約金、損害賠償等について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。

■極度額の定めがない貸金等根保証契約については、その効力を生じない。

■貸金等根保証契約の主たる債務の元本確定期日が、貸金等根保証契約の締結の日から5年を経過する日より後の日と定められているときは、その元本確定期日の定めは、効力を生じない。元本確定期日を変更する場合で、変更日から5年を超える場合も同様である。

■貸金等根保証契約の主たる債務の元本確定期日が有効に定められていない場合には、元本確定期日は、契約日から3年とする。変更の場合には、原則として、変更日から3年とする。

■債権者が主たる債務者や保証人の財産について金銭債権支払のための強制執行を申し立てたり、担保権の実行を申し立てた場合などには、元本を確定させることができることとする。

■根保証人が法人であり、主債務が貸金等債務を含む場合に、その根保証契約の極度額の定めがなく、または、元本確定期日が契約日や変更日から5年を超える日とされている根保証契約である場合には、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対して有する求償債権について個人がした保証契約は、その効力を有しない。

関連トピック
違法な年金担保融資等の防止するための貸金業規制法の改正について

広告や勧誘にあたって禁止される行為が追加され、公的給付に係る預貯金等の保管等に制限が設けられました。さらに、これに関連して罰則等も設けられました。

従来について

年金等は、受給者が安定した暮らしを確保し、給付がなされる目的の達成のため、法令によって譲渡や担保提供、差押さえが禁止されていることが少なくありません。

しかしながら、近年、年金証書や年金が振り込まれる口座の通帳を保管するという方法で、実質的に年金を担保にとって行われる融資が増加し社会問題化していました。

従来の貸金業規制法では、年金担保融資を直接規制しておらず、金融庁事務ガイドラインでも、留意を促す程度にとどまっていました。

改正について

上記のようなことを背景にして、公的給付の受給権の保護等を図る目的で、平成16年に次のように貸金業規制法が改正され、施行されました。

(1)広告・勧誘にあたって禁止される行為の追加
・・・貸金業者は、公的な年金、手当て等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明をしてはならないことになりました。

(2)公的給付に係る預金通帳等の保管等の制限
・・・貸金業者は、貸付の契約について、その貸付金の弁済を公的給付の原資とする資金から受けるために、法令の規定により譲渡、担保提供、または差押えができないことになっている公的給付が振り込まれる、受給者の金融機関口座の預貯金通帳やキャッシュカード、あるいは年金証書その他の公的給付の受給資格を証明する書類などの引渡しを求め、または保管行為を行ってはならないことになりました。

なお、各地方公共団体の条例や規則に支給の根拠がある公的給付で、次の条件を満たす場合には、貸金業規制法で規制する公的給付に含まれるものとされています。

■地方公共団体が、その給付に要する費用やその給付の事業に関する事務に要する費用の全部または一部を負担したり、補助することになっている。

■その地方公共団体の条例や規則で、給付を受ける権利を譲り渡し、担保に供し、または差し押さえることができないとする規定がある。

(3)罰則等
・・・(2)に違反した者は、1年以下の懲役か300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科することになりました。


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