会社が破産した場合に、遅配している給料はどうなるのですか?
破産手続きにおいて従業員の給料というのは、優先的破産債権といって、従来から一般の債権よりも優先的に取り扱われてきました。
しかしながら、破産手続きにおいて税金等は、財団債権といっていつでも弁済可能な債権とされていましたので、給料よりも優先されていました。
なので、仮に破産会社に財産があったとしても、そのほとんどが税金の支払いに充てられてしまい、従業員の給料までは配当がまわらないということも多くあったのです。
それが新しい破産法では、給料の優先順位が上げられることになりました。
新しい破産法ではどのように変わったのですか?
給料というのは従業員の生活の基盤となるものですので、保護の必要性が極めて高い債権です。そこで、新しい破産法では、給料のうち、次のものを財団債権としました。
■破産手続き開始前3か月間の給料
■退職金については、退職前3か月間の給料の総額に相当する金額
これによって、給料は優先順位が上げられましたので、破産手続き開始後、直ちに弁済を受けることができるようになりました。
当然のことながら、会社に財産がなければ、たとえ優先順位が上がったとしても支払いを受けることはできないのですが、それでも従来と比較すると給料の支払いを受けられる可能性はかなり高くなったといえます。
労働者健康福祉機構(旧労働福祉事業団)とは?
労働者健康福祉機構(旧労働福祉事業団)というのは、破産などによって、給料が支払われない場合に、未払い賃金の一定範囲を立替え払いしてくれる機関です。
しかしながら、実際に立替え払いを受ける場合には、一定の条件を満たさなければなりません。また、立替え払いが受けられる場合でも、未払い賃金の全額が立替え払いされるわけではありませんので、注意したいところです。 |